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小説を読むなら大回り乗車で

2023.11.21.Tue.08:57
小説を読みながら何度も電車で往復して捕まった人の話をニュースでみた。
同じ路線を往復すれば無賃乗車になってしまう。
この人は大回り乗車(選択乗車)というものを知らなかったのだろう。

大回り乗車(選択乗車)とは。
JR線には、どのようなルートで乗車しても最短距離の経路とみなして運賃計算を行うという特例がある。
簡単言えば、五反田→目黒を外回りで「ひと駅」も、内回りで「29駅」も同じ料金。ということである。
この特例を利用して遠回りするのが「大回り乗車」である。

この特例が適用されるためにはルールがある。
①同じ駅・経路を2度通らない。
②途中下車はできない。つまり改札の外へ出ることはできない。
③乗車には路線の範囲がある。東京周辺なら「東京近郊区間」

私もしばしばこの大回り乗車をすることがある。
秋葉原までNゲージを物色しに行くとき、そして時間に余りがあるとき、
大井町から秋葉原まで京浜東北線で行けば7駅19分程度だが、
大回りして6時間程かけて行くのである。

自分の鉄板大回りルートは大井町、品川、大崎、小山、友部、土浦、上野、秋葉原コース


五反田から恵比寿で湘南新宿ラインに乗り換えるという手があるのだが、品川駅に寄る。
なぜかというと、品川駅の構内に駅弁売り場があるのだ。
改札の外に出られないという縛りがある大回りでは、先に構内で駅弁が買えるのが品川駅なのだ。

そして、なぜこのコースなのかといえば、ボックス席のある列車に乗れるからだ。
自分の乗り鉄の目的は「ぼ~っと、流れる景色を見ること」
ロングシートはいただけない。
湘南新宿ライン、水戸線、常磐線にはボックスシート(クロスシート)がある車両があるのだ。

しかしながら、湘南新宿ラインと常磐線のボックスシートには座らない。
なぜかというと、大回りの特例にはちょっと「申し訳ない」という気持ちが湧くからだ。
大井町から秋葉原までは230円。
6時間乗っても230円ではちょっと申し訳ないという、あまちゃんな考えが頭をよぎる。
実際の料金は計算上4488円なのだ。

ではボックスシートに座らずに景色を見るのにはどうするのか。
それはグリーン車の2階席に乗るのである。


視線が高くなり景色もよく見える。
リクライニングもできる。
何よりも向かい合わせではない。
最高のシートだ。


料金は平日片道1000円(50km以下は800円)

湘南新宿ラインは池袋を超える頃にはガラガラ。
常磐線土浦駅からは一人も乗らないことがある。


この空気を運んでいるグリーン車にお金を払う。
そして検札に来るアテンドさんから飲み物(酒、コーヒー)やおつまみを買う。


これでなんとなく大回りの「申し訳ない」を自分なりに浄化しているのだ。

「いや、ちゃんと料金払えよ」とは言われそうではあるが・・・

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いつもは景色を楽しむための大回り乗車。
今回は違う目的で使ってみる。

最初に書いた「電車で本を読む」という行為だ。

上記のコースで、5時間以上、本が読める。

ただ小説を読むのではなく、「しっかり読む」のだ。

小説をオーディブルで朗読してもらいながら、文字を目で追う。
再生スピードは標準
一冊読み終わるのには5~6時間程度になる。


都会から地方へ、地方から都会へと景色は移り変わる。
心地よい揺れと軽快なジョイント音の中、物語の世界へと入ってゆく。

どちらか一方だと、ふとした時に集中力が切れてしまうものだが、
本から目を離して景色に見入っても、物語は進んでゆく。
しばし景色に見惚れてしまう。
「あれ、どこだっけ?」と、文字を探すことになる。

朝ごはんは食べないで行くと、一食目の食事はいつの時間でも良くなる。
品川駅で買った弁当は、行程の何処かでお腹が減ったら食べる。
6時間の自由時間だ。


そんな一日は、とても有意義な時間を過ごせていると思う。



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今回の文章は、写真に写っている
プリズンホテル(浅田次郎)風に書いてみました。